アズレンとは、カモミールというキク科植物の精油成分である。アズレンはきわめて優れた抗炎剤として知られ、多くの薬剤と化粧品類に用いられている。アズレンの純粋な結晶は、濃い青色をしている。カモミールの生花の中にはなく、精油を蒸留する際に形成される。アズレンの誘導体にも着色がみられ、青・赤紫・赤と様々。アズレンそのものは水に溶けにくいが、医薬品や化粧品原料では、水溶性アズレンとして水になじみやすくしてある。水溶性アズレンも青い粉末状であり、胃潰瘍・胃炎の治療薬としてトローチなどにも配合される。軟膏では皮膚の湿疹、皮膚炎の治りを促進する効果がある。この皮膚への作用をハンドクリームやジェルなどへ応用している化粧品もある。
アスタキサンチンは、藻やサケなどの赤い色素で、高い抗酸化力をもった物質である。アスタキサンチンは、カロチノイドの一種で、ヘマトコッカスなどの藻類に含まれる赤い色素のことである。サケ・エビ・イクラなどの魚介類の赤い色も、アスタキサンチン色素によるものである。体内で活性酸素が増えると、肌あれや目のかすみなどを引き起こし、身体を老化させるが、アスタキサンチンは海のカロチンとも呼ばれ、ポリフェノールやカテキンよりも大きな活性酸素除去の力を持っていることから健康維持のための成分として注目を集めている。なお、アスタキサンチンの抗酸化力は、β-カロチンの約10倍、ビタミンEの約100倍といわれている。
アスコルビン酸とは、ビタミンCの正式な名称で、特に健康な肌の維持に欠かせない物質である。アスコルビン酸は、抗壊血病という意味を持ったエステル体のこと。特にL-アスコルビン酸のことをビタミンCという。ビタミンCが欠乏すると壊血病という病気をひきおこすことから名前が付けられた。美容や健康の業界でアスコルビン酸といえば、ビタミンCのことを指す。ビタミンCはメラニンの産生抑制やコラーゲン合成促進、抗酸化作用などの機能を持っているが、構造が不安定であるため、酸化されやすい性質がある。そのため、ビタミンCをいかにして安定的な物質のまま肌に供給するかが、ビタミンC含有化粧品の課題となっている。
アスコルビルグルコシドとは、ビタミンCに他の物質を付加することで壊れにくくしたもので、ビタミンC誘導体の一つである。アスコルビルグルコシドは、ビタミンC誘導体の一種でこわれやすいビタミンCを安定化・水溶化した薬効成分である。本来は非常に壊れやすいビタミンCを、壊れにくいアスコルビルグルコシドへ変換することにより、ビタミンCの肌への浸透率を上げ、美白やシミ、ソバカスの除去・軽減に効果があるといわれている。また、壊れにくい構造となったことで持続性もアップし、主に美容液などに配合されている。なお、安定化したアスコルビルグルコシドは、皮膚で「α-グルコシダーゼ」という酵素によって分解・変化を起こし、ビタミンCに戻る。
足浴とは、足だけをお湯につける入浴健康法で、リフレクソロジートリートメントの前にやると、血液循環がよくなり施術の効果が増す。簡単に足浴するために、近年はマッサージ機能やバブリング機能がついたフットバスが出回っている。特に、足裏には内臓の働きと関係あるいろいろなツボが集中している。足の血行をよくし、暖めておくことで、老廃物の排泄を促し代謝を活発にする。シトラスオイルやユーカリなどの精油と、バブリングを使ったアロマフットバスは、気分をリラックスできる。風邪や体調不良で入浴できないときには、寝る前にフットバスをすることで、足先が温まって熟睡を促せる。足元のケアという点からも、足浴は効果的である。
明日葉(アシタバ)とは、八丈島・大島など伊豆方面に自生するビタミン・ミネラルを豊富に含むセリ科の緑黄色野菜である。明日葉の切り口からにじみ出る黄色い液汁に、カルコンとクマリンという成分があり、近年、抗菌作用、ガン抑制に有効といわれる。その他、血行不良による老廃物であるセルライトの排出・代謝を促進させる働きがあり、ダイエット・美容食としても注目されている。生の明日葉は茎が固いが、葉だけでなく茎にも上記の重要な成分が含まれるので、まるごと調理が望ましい。熱湯に数分ひたせば茎もやわらかくなり、捨てるところがない。明日葉の抽出エキスからできたスキンケア製品は、セルライト対策のマッサージ用オイルに使われる。
アクネ菌とは、ブドウ球菌と並んで皮膚に一番多く存在する菌であり、皮脂を栄養にして増殖しニキビの原因となる。アクネ菌は、皮脂を好み毛穴の中で分解して脂肪酸を作る。毛穴の中にたまった脂肪酸は紫外線や酸素などで酸化し、黒ずんでくる。皮脂が黒ずんで角栓をつくった状態が黒ニキビ。そのままではなかなか目詰まりを解消できないため、毛穴の角質層が除去できずに、化膿してしまう。化膿した皮膚がもりあがって赤くなったものが赤ニキビ。皮膚の悪玉菌であるアクネ菌を抑えるには、正しい洗顔をする必要があるが、洗いすぎも皮膚をいためる。消毒・殺菌剤の入った洗顔料を使い、「泡で」やさしく洗うのがよい。美容外科では、アクネ菌を殺菌する光化学治療(PDT)も効果的である。
麻セルロースは、化粧品などに使われる極細のパウダーである。麻セルロースは、麻を原料として作られた天然不溶性のセルロースパウダーである。ファンデーションなどの化粧品に使われることが多く、麻の特性である吸湿・発散性を持つので化粧ノリがよく、通気性にも優れているため、メイクをしても肌にベットリとした感じがない。麻セルロースは塗料や合成皮を改質する素材としてなど他の用途に使われることも多いが、化粧品用のものはそれらよりもより細かい粒子となっている。麻セルロースパウダーのほかにも、シルクパウダーやキトサンパウダーなども化粧品に使われており、目的や好みに応じて使い分けたい。