甘草フラボノイドとは、甘草の根から得られたエキスであり、ビタミンC誘導体とならんで、2大美白成分といわれている。甘草は、4000年も前から薬用植物として使用されており、生薬の王といわれる。甘草の根からとれる甘味成分であるグリチルリチン酸はショ糖の150倍の甘味を持ち優れた抗炎症作用を示す成分としてハンドクリームなどに用いられる。甘草には、グリチルリチン酸のほかに数種類のフラボノイドが豊富に含まれており、その中から、アルコール抽出したフラボノイドが甘草フラボノイドである。甘草フラボノイドの効能は、メラニン色素合成の鍵を握るチロシナーゼという酵素の活性を抑える作用が非常に優れており、紫外線による色素沈着の抑制効果が確認されている。
乾燥肌とは、皮膚を覆っている角質層と皮脂膜が壊れて皮脂が不足、空気が乾燥して皮膚の水分が奪われて起こる、顔に粉がふいたような状態である。乾燥肌は、質層が水分を保持できず、肌内部の水分は蒸発しやすくなっている。また、アレルゲンや微生物などが入り込み、炎症なども起こりやすく痛みを伴う。 紫外線など外部刺激に対する抵抗力も落ち、美白の大敵である。特に、外気の乾燥しやすい冬にはスキンケアが重要。油分の入った乳液やクリームで肌を乾燥から守り、コラーゲンやセラミドなど保湿成分入りの化粧水・美容液でうるおいを補給すること。乾燥肌の人は、顔全面のメイクは控え、ポイントメイクでケア。洗顔のしすぎは、健康な角質細胞まで落としてしまう。
乾燥ニキビとは、一見できそうもない乾燥肌の人にできるニキビのことである。乾燥肌の人は水分が不足すると皮膚が硬くなるため皮脂が毛穴に詰りやすくなり、これがニキビの原因になることがある。乾燥ニキビは主にあごの周りなど皮脂分泌が活発な部分にできる。皮下にぽつんと白く見えるのが特徴である。出来た皮脂が外に出ず、そのままなかで酸化して白い塊になる。乾燥ニキビは、大人のニキビのひとつでもあり、ストレス・疲労などからくる免疫力の低下や、生活の不規則さが原因でもある。対策として、蒸しタオルパックなどで毛穴をひらかせ、洗浄力のあまり強くない保湿性石けんで、泡洗顔をするのがよい。乾燥しがちな頬や目の周りは流すだけにしておく。便秘にも気をつける。
環境ストレスとは、生活の中で大気や水などの環境から受ける肉体的、精神的なストレスのことである。環境ストレスは、身体が自然界や生活社会から受けるストレスのことで、代表的なものに環境汚染や電磁波による身体への悪影響などが挙げられる。現代社会では、きれいな水や汚染されていない食べ物を得ることは難しく、身体には常にストレスがかかっている状態になってしまっている。また、大気の汚染も恒常的に我々の身体を蝕んでいるといえるだろう。環境ストレスのない健康な生活を送るために、なるべくよい水・食べ物を手に入れ、きれいな空気を吸いたいと願うのは当然のことだが、環境を汚さないように配慮して生活することも我々にとって重要な役目だ。
カワラヨモギエキスとは、キク科の植物であるカワラヨモギの花、葉、茎から抽出したエキスであり、細胞修復と抗アレルギー作用が期待され、用いられる。カワラヨモギエキスの有効成分は、タンニン、フラボノイド、精油を含む。抗菌効果があるので、肌を清潔に保ち、肌荒れを防ぐ化粧品に配合される。また、フケやカユミを防ぐ頭髪用化粧品にも適している。カワラヨモギエキスは、ゼニアオイエキス、チョウジエキス、甘草エキスなどのハーブ系エキスとの相乗効果により、肌のキメを整える成分・美白成分としてエイジングケア化粧品に用いられる。漢方では2000年以上も使われてきた民間薬(生薬)で、消炎作用があるといわれている。生薬名はインチンコウ。
カロチン(β-カロテン)とは、主に緑黄色野菜などの植物性食品に含まれており、必要なだけ体内でビタミンAに変換される栄養素である。皮膚や粘膜を保護することから、フェイスクリーム類にも用いられる。カロチンは、橙色をした有機色素(天然色素)なので、錠剤や化粧品の色づけにも使われる。カロチンがビタミンAに変換する量を「ビタミンA効力」という。そのため、生理作用では、ビタミンAのはたらきとして表現される。髪の健康、夜盲症・視力の低下を防ぐ、皮膚や粘膜・生殖機能を維持し、成長を促進するなどがある。カロチンと同様に、体内でビタミンAに変わるものに、レチノールがある。レチノールは摂りすぎると過剰症が出ることがあるが、カロチンよりも変換効率はよい。
カルミンとは、エンジムシ(カイガラムシともいう)から得た赤色の天然色素である。エンジムシの体液が赤い。カルミンは、化粧品の色材のほか、草木染め、食品色素、医薬品の着色、医療マーカー、細胞の染色、絵の具など幅広く使われている。カルミンと同じように、天然の赤系統色素には、紅花、βカロチン、パプリカ色素などがあり、タール系色素に比べると、アレルギー性はほとんどない。特に赤系統の合成色素には、発ガン性が疑われているから指定表示成分であるのだが、口紅など常に口から色素が体内に入る化粧品には注意が必要である。カルミンをはじめとする天然色素は、タール色素に比べて、高価で着色力が弱く、光・熱・酸などに対して不安定な性質である。
カルボマーとは、カルボキシビニルポリマーの略称であり、水に粘性を与える特性を利用して粘度調整や使用感をコントロールする化粧品ベース成分である。カルボマーは高分子なので、皮膚からは直接吸収されにくく、また変質や腐敗しにくい素材である。水分を含んでジェル状になるため、増粘剤や分散剤として使われる。カルボマーにこってりした使用感を出すために、グリセリンなどの保湿剤を、またさっぱりとした保湿をするには、アルコールを加えて調整する。カルボマーは合成物質であるが、天然ジェル成分のキサンタンガムとブレンドすることもある。洗い流すタイプのパックやリンクルケアなどの製品にも使われる。カルボマーNaはカルボマーにナトリウムイオンがついたもの。