イノシトールとは、米糠中にフィチン酸のカルシウム、マグネシウム混合塩(フィチン)の形で多量に存在する。細胞成長促進に不可欠なビタミンB群の一種である。イノシトールは、食品添加物として認可されており、各種ドリンク剤や乳児用ミルクなどのほか、養殖えびの飼料などにも配合される。イノシトールはコリンと共に細胞を構成するレシチンの材料となる。レシチンには脂質を溶かす性質があるといわれている。コリンとイノシトールを混合したサプリメントも市販されている。イノシトールを多く含む食品は、オレンジやグレープフルーツ、グリーンピースなどがあり、グレープフルーツには、代謝を促進するフルーツ酸も多く含まれ、ダイエット効果が得られる。
アンジェリカは、精神を高揚させる効果をもったセリ科のハーブである。アンジェリカは、セリ科の強い芳香をもったハーブで、日本ではよろい草とも呼ばれる。シトラス、ペッパーのような香りで、高級なお菓子の飾り付けに使われることが多く、シロップなどで甘く煮て使う。高価であるため、アロマテラピーではあまり用いられないが、強壮作用があり、不安などで沈んだ心を元気にしてくれる作用があるといわれている。また、女性ホルモンの分泌を調節するので、更年期障害による不定愁訴や生理前のイライラ、気分の落ち込みも改善してくれるといわれている。光線に対する目の過敏症を起こす物質を含むので、使用後は日光に当たらないように注意する必要がある。
イチョウ葉エキスとは、銀杏の実がなるイチョウの木の葉っぱのエキスのことで、1960年代にドイツで開発され、現在、欧州で高年者のボケ防止用医薬品、血液循環改善剤などとして、爆発的に売れている。イチョウ葉エキスには強い抗酸化作用と、血液の流れを良くして血栓を予防する働きがあるとされている。これらの効果のため、記憶力や集中力、思考力を向上させたり、不眠、痴呆、アルツハイマーなどの症状緩和など、脳への効果も認められている。 イチョウ葉エキスは、食後に飲むと吸収が良い。ただし、イチョウ葉のお茶には、イチョウ葉に含まれるアレルゲン物質が除去されていないため、イチョウに触れるとかぶれるなどのアレルギーがある人は注意しなければならない。
イソプロパノールとは、エタノールの系列にある一価のアルコールである。水や油などと混合しやすく、エタノールよりも色々な成分を溶解できる水性成分である。イソプロパノールはエタノールと似た成分で殺菌力が強く、防腐剤としても使われるが、皮膚(特に粘膜)から吸収されて毒性も強いので、実は、労働安全衛生法(有機溶剤中毒予防規則)で規制されている溶剤でもある。特に油性の原料や顔料を溶解するため、安価な化粧品に多用されている。収れん作用があるとして入れられている場合もあるが、それはエタノールよりも脱脂作用が強く、皮膚への刺激が強いためと考えられる。医薬部外品では、表示されない場合もあるので注意が必要。
イソフラボンとは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする物質で、エストロゲンの補助物質として注目を集め、大豆胚芽に含まれる。イソフラボンの補給により、更年期で激減したエストロゲンを補うことができ、更年期障害特有の顔がほてる、大汗をかくなどの症状が緩和される。骨粗鬆症や更年期障害、乳がん等の女性疾患に対する機能もある。体内のエストロゲンは、悪玉コレステロールを減らし、血管を広げて詰まりにくくする働きがある。イソフラボンの補給で、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞といった血管系の病気を防ぐ。イソフラボンの効果は、体内のエストロゲンより弱く、副作用はないと考えられている。しかし婦人科系の病気を持っている人は必ず医師に相談してから摂取するのがよい。
育毛剤は、頭皮を清潔にし、頭皮を適度に乾燥させ、毛母細胞(毛の根元にあり毛を作る細胞)に栄養を送るなどの働きがあり、その結果やせほそっていた毛髪を元気にする薬剤である。育毛剤に含まれている主な成分は、チンキ剤といわれる漢方の植物エキス濃縮成分である。主なものに、トウガラシ・オウゴン・センブリ・チンピ(ミカンの果皮)などがある。育毛に大事な要素は、この育毛剤だけに頼らず、まずシャンプーやスキャルプトリートメントで頭皮と毛穴を清潔にすることである。頭皮が皮脂(分泌する油)でつまっていたり、汗ばんでいると、育毛剤が浸透しにくい。当然、シャンプー後にある程度水気を切らないと効き目がわるくなる。
イオンとは、原子、分子、又は分子集団などの物質が、僅かな電気を帯びた状態のことを指し、イオンになるためには物質がもっている電子の授受がある。マイナスイオンの場合には、「マイナスの電気」を帯び、反対に「プラスの電気」を帯びたものをプラスイオンと呼ぶ。水分があると物質はイオン化しやすく、空気中の水分で物質はイオン化する。生体に対する効果はまだ解明されない所も多いが、例えばリラックス効果や、さまざまな病気の症状を軽減したり、治癒したりする効果が実験で確かめられている。最近ではイオン導入という治療法もある。トルマリンなどの鉱物もマイナスイオンを発生する構造があり、パックや化粧品原料に使われている。
イオウとは、タンパク質やアミノ酸の構成要素であり、身体や髪の毛・爪・軟骨などの組織をつくる重要な物質である。イオウには、角質を軟化させる作用のほか、殺菌、殺虫作用がある。イオウは、外用薬として軟膏や塗り薬に製剤され、水虫や疥癬などの皮膚疾患治療に使われるほどであり、イオウが含まれる化粧品には、医薬部外品として登録されるものが多い。イオウを細かい粒子状にした洗顔料でロングセラーのものに、古い角質を取り除き、ニキビを防ぐクリーム状の洗顔料がある。スキンケアに加えて、良質なタンパク質を毎日食べることは、身体の中からのケアになる。大根やニラ・玉ねぎのなかにもイオウが含まれるからバランスよく食べることが大事である。