黄土パックとは、韓国原産の黄土を使ったパックで、細かい粒子と酵素・微生物の働きにより毛穴の黒ずみや皮脂を除去してくれるものである。黄土は、韓国で採れる粒子の非常に細かい土で、パックの材料として非常に重宝される。黄土は、地震が少ない韓国で、岩盤の上に動植物の死骸が長い年月をかけて堆積してできた。そのため、多くの酵素・微生物を含み、栄養価の高い朝鮮人参などを育てる土壌にもなっている。黄土をパックとして使用した場合は、そのきめの細かさと酵素・微生物の働きにより、肌の毛穴に詰まった汚れを取り去り、皮脂を除去する。また、黄土パックをしている間はパックが熱を持ち、ホカホカな状態を保つので、血行もよくなる。現在でも、高級エステなどで使用され、非常に貴重なものとなっている。
海塩とは、天然海水から天日干し(塩田法)し、釜炊きして濃縮した、天然のマグネシウム、カルシウム、カリウムがふんだんに含まれている塩である。一般に海塩に添加物は含まれない。海洋深層水を濃縮したものも海塩になる。海塩には、天然ミネラルが豊富に含まれ、海塩がニガリの原料となる。沖縄や瀬戸内海、淡路島、赤穂、伊豆大島の海塩が有名。化粧品としては、海塩のミネラルや海藻エキスなどを入れたヘアケア製品、ボディーマッサージ用の塩の粒などがある。ジェルに入れてすべりをよくしたものもある。海塩の粒には、スクラブ効果があり、角質ケアによいとされる。入浴剤としてもそのままお風呂に入れられる。
カーボンブラックとは、炭素を原料とした黒色の微粉末で化粧品に色を付けるために用いる。アイブロウや、マスカラなどのアイメークアップ化粧品に多用されて、表情を際立たせるものである。カーボンブラックは、着色成分であるが、油分がつよいため、水をはじきやすい。同じ黒い着色料でも酸化鉄のほうは水になじみやすい。黒い色がついている化粧品には、これらを調整して使っている。カーボンブラックの粉末にアレルギーをおこす人もいるため、カーボンブラックフリーのものもある。カーボンブラックが皮脂にとけこんで、皮膚の中に浸透しやすいという性質もあるため、使用後のオイルによるケアは不可欠である。
温熱療法とは、身体や患部を温めることによって免疫力を高め、自然治癒を促すための治療法で主として専用の温熱治療器を用いる。温熱療法は、血行不良からくる体の冷えのために、肩こりや腰痛に悩まされる人達をはじめ、高度な治療ではガンや難病の治療(ハイパーサーミア)に使われる。体の冷えは、冷房など物理的な環境はもちろん、運動不足による血行不良やストレスからくる自律神経失調などによっても引き起こされる。また、逆に過剰な運動から乳酸などの疲労物質が蓄積し、これが筋肉内に残って肩こりや腰痛の原因となる。温熱治療は治療のほか、特に下腹部を暖めてのダイエットにも利用され、温熱によって代謝を高める方法などがある。
温泉水とは、温泉に湧く温泉水をそのまま使うもので、ナトリウムイオンや炭酸水素イオンなどを有効成分として含む。主にミネラル補給と温泉とおなじようなすべすべ効果を得るため、スキンケア製品につかわれる。肌への水分補給のためのスプレーには、保存料も添加物もなく、100%温泉水でできた化粧水がある。スプレーボトルは、雑菌が入らない様、通常は密閉缶になっている。温泉水の産地は、国内では霧島、富山、鹿児島垂水など、海外では南フランスアベンヌ、フランスのユリアージ温泉水などが有名である。飲む温泉水というものもあり、温泉成分のアルカリイオンが体内の活性酸素を還元し除去するといわれる。
オレンジとは、主に橙色の丸い果実で、アメリカカリフォルニア産が有名なかんきつ類の実である。アロマテラピー用の精油が多く採取できる。オレンジの花からはネロリが、葉からはプチグレンが、実からはオレンジの精油を採取することができる。これらの製油は、緊張をほぐす、リラックス、落ち込んだ気分を吹き飛ばすなどの効果が期待できる。また直接的には、神経性の胃の不快感を解消し、腸の働きを正常化するため、便秘、下痢に有効。また、食欲増進、不眠症解消、血中のコレステロール値を下げるなどの作用がある。 美容面では、乾燥肌、しわに効果があるといわれる。オレンジオイルには、テルペン類が多く含まれ、これに洗浄効果もあり、クレンジングオイルにも使われる。
オレイン酸とは、オリーブ油の約80%を占めている脂肪酸である。皮膚に対する柔軟性がある。オレイン酸は、肌へのなじみを良くするためにクリームに配合したり、泡立ちを良くするために中和して脂肪酸石鹸にしたり、シャンプーに配合される。オレイン酸の経口による主な効果は、血中コレステロールを減少させ、血液をさらさらにする。オレイン酸はリノール酸と違って、悪玉コレステロールだけを減少させる。不飽和脂肪酸で酸化されにくいため、発ガン原因の過酸化脂質を作りにくいという。しかし、オリーブ油といってもカロリーは高いため、炒め物などには少量使う注意が必要である。オレイン酸を多く含むものには、オリーブ油のほかツバキ油がある。
オレイルアルコールとは、魚油アルコールを主体にした不飽和アルコールと、植物オレイルアルコールを混合調整した不飽和アルコールである。オレイルアルコールは、乳化作用、乳化製品の安定性を保ち、皮膚に対して柔軟性を保つために用いる。無色~淡黄色の液状のアルコールで、わずかに特有な匂いがある。化粧品用には高度精製品が使われる。表示指定成分ではないが、オレイルアルコールを原料にして水素添加をした油脂・ステアリルアルコールは、表示指定成分である。オレイルアルコールは、マッコウクジラなどの脂質に多く含まれているが、鯨油の入手が困難なので、オリーブ油や牛脂から得たオレイン酸を還元して得られる。クリームや乳液、口紅、シャンプーなどに使用されている。