塩化ベンザルコニウムとは、陽イオン界面活性剤(逆性石けん)であり、石けんとは逆の荷電を有し、通常は殺菌剤として用いられる。塩化ベンザルコニウムの界面活性剤としての働きには、シャンプー、リンスなどの帯電防止や毛髪柔軟剤として配合される。手指の消毒や頭皮を清潔にするためには希釈して用いる。医療用具の洗浄消毒や、手指の消毒用には、日本薬局方の10%塩化ベンザルコニウム液を使うが、消毒前にふつうの石けんで汚れを落としておかないと、殺菌力が低下する。塩化ベンザルコニウムは、指定表示成分でもある。ボディーシャンプーやハンドソープのベースにもなっているが、環境ホルモンに変化する恐れもある。
塩化Mg(塩化マグネシウム)とは、岩塩や海水中のミネラルとして産出される天然の鉱物である。ニガリの主成分である。塩化Mgは、海産物に多く含まれ、骨などの発育・形成のために、カルシウムとともに必要なミネラルである。カルシウムが不足すると、イライラするといわれるが、マグネシウムもまた神経伝達に重要で、神経の興奮を抑え、エネルギーをつくる助けや、血圧の維持にも関係している。近年、海水をにつめてつくった「ニガリ」が腸からの脂肪吸収の抑制になり、ダイエット素材として注目されている。栄養素や健康食品としてのほか、塩化Mgは、石けん、シャンプー、リンスなどには保湿成分として使われている。また骨だけではなく細胞の活性にも必要とされることから、スキンケア製品に配合される。
エレキストーンとは、トルマリンとプラチナイオンを配合した石けんで、その静電力によって皮膚の汚れなどを吸着・除去するというものである。エレキストーンでは、通常の洗顔では落ちにくい、毛穴の中の皮脂やダニ、こびりついてしまったタバコの煙も、静電引力によって引き寄せる働きをうたっている。原理としては、空気清浄機と似たようなもので、帯電している石けんの泡に汚れをひきよせて洗い流すのである。トルマリンはマイナスイオンで、プラチナはプラスイオンを発生させ、それぞれ異なる種類の汚れをひきつけると考えられる。石けんの泡は細かいほうがより細かいよごれを落とせるから、泡立てネットなどを活用するのがよい。
エリソルビン酸とは、アスコルビン酸(ビタミンC)の構造異性体で、食品・化粧品に用いられる酸化防止剤である。別名:イソアスコルビン酸。エリソルビン酸は、化粧品を空気酸化から防ぐ。食品などに入れる場合は、エリソルビン酸のナトリウム塩として亜硝酸ナトリウムと一緒に使用すると、ニトロソアミンの発生を抑える効果があり、よく使われている。酸化防止作用は強いがビタミンCとしての作用はアスコルビン酸の約1/20といわれている。脂肪分の多い加工品にはフェノール系酸化防止剤と併用することで相乗効果があるといわれる。名称が似ているだけで、よく発がん性を疑われるソルビン酸Kなどとはまったく別の物質である。
エリスリトールとは、メロンや梨などの果実やしょうゆ、みそ、ワインなどの発酵食品に含まれる糖アルコールの一種だが、エネルギーになりにくいため、甘味料として使われる。化粧品成分としては、保湿調整に配合される。エリスリトールには、放熱作用があるため、化粧水のさっぱり感や夏向けの冷感成分として配合される。エリスリトールを練りこんだ夏用ストッキングなどもあり、この冷感により蒸れる不快感を改善した製品もある。エリスリトールは、カロリーゼロ、清涼感がある、砂糖に近い甘み(砂糖の75%)、吸湿性が低く取り扱いが容易、虫歯予防、血糖値・インシュリンの分泌に影響しないなどの効果があり、飲料、菓子類、健康食品などに利用される。
エラスチンとは、コラーゲンと同様に細胞外で働く繊維状の蛋白質で、ゴムのように伸び縮みする性質(弾性)があり、組織に柔軟性を与える物質である。エラスチンは、皮膚の真皮・靱帯・腱・血管壁など伸縮性の必要な器官に広く分布する。しかし、加齢とともに含有量が減少していくため、しわやたるみの原因となる。エラスチンとコラーゲンとはほぼおなじ部位に存在し、共に皮下の柔軟組織を構成している。紫外線や活性酸素、ストレスなどがこの柔軟組織を壊していくといわれている。エラスチンを多く含む食べ物は、牛すじ肉、手羽先、軟骨、煮魚などがあり、柔軟組織は睡眠中に再生されるので、これらの食べ物はなるべく夜間に摂るのが適している。
エマルジョンとは、乳濁液ともいわれ液中に混じりあわない他の液体が微細粒子となって、分散、浮遊している混合物。エマルジョンは、水と油の混合物に、分離を防ぐための乳化剤を加え、安定させた混合物であり、用途は化粧品用、繊維加工用、食品添加用など非常に幅広い分野にわたっている。水と油が分離せず、混合している性質を利用して、美容クリームにも利用される。エマルジョンクリームは、ナチュラルオイルの中に美容成分を混合した水の粒子を分散させたもので、直接に皮膚の角質層の奥にまで浸透することができる。さらに、混合されたナチュラルオイルも、肌本来の潤いが失われないように、外部からの刺激から肌を保護する役割もあるため、美容効果が期待できる。
エフェドリンとは、日本国内において医薬品として承認されているマオウ(麻黄)に含まれる有効成分の名称である。エフェドリンは、内服薬として、気管支喘息、喘息性気管支炎の治療に使用されている。血圧上昇、頭痛など様々な副作用がある。エフェドリンは、今までアメリカで使用されたダイエット・サプリメントにほとんど入っている成分で、代謝を促進する働きがあり、何百万人というユーザーに愛用されてきた。しかしエフェドリンには、体質などにより副作用が出る可能性があるとも言われてきた。アメリカではエフェドリン配合製品は平成16年1月から販売が禁止されているほどである。