カカオ脂とは、熱帯アメリカ地方に自生するアオギリ科の植物カカオの種子から得たオレイン酸を多く含む脂肪である。カカオバターともいう。カカオ脂は、カカオ豆を発酵させたものを圧搾して得られる常温で固体の脂肪だが、体温程度の温度ではスピーディーに溶ける特性がある。そのため、化粧品成分としては、口紅やクリーム、サンオイル。クリームファンデーション。ヘアスタイリング剤の硬さ調整などに使われる。自然派のハーブ石けんのベースとしても使われる。カカオ脂にもカカオのポリフェノール同様に、抗酸化成分が含まれる。医薬品としては、利尿、興奮、坐剤の基剤に使われる。限定された産地と、他の油脂にはない特性をもつため、高価である。
顔ダニとは、毛包虫または毛嚢虫と呼ばれる人の皮膚に発生している皮膚常在生物、「デモデクス」のことである。顔ダニはほとんどの人の顔に存在している。顔ダニは毛根や皮脂腺のあるからだのどの部分にでも棲みつく可能性がある。特に、皮脂の分泌の盛んなTゾーン(額、鼻、口)や毛の生えている部分では繁殖しやすい傾向にある。顔ダニは基本的に無害であり、あまり神経質になる必要もないが、皮脂線に棲んでいて、皮脂腺部分の脂肪組織を栄養として生きてるため、皮脂腺部分の炎症やニキビを悪化させたり、肌のキメが粗くなる原因の一つとなることがある。また、毛根周囲の炎症や抜け毛の原因となることもある。皮膚を清潔に保つことが重要である。
海洋深層水とは、深海すなわち陸棚外縁部以深にある海水の総称のことである。海洋深層水は清浄性、低温性、富栄養性、熟成性といった特徴をもつ。いま海洋深層水ブームが起こり、飲料水や化粧品に多く使用されている。その特性から、化粧品だけではなく、飲料水としても注目されている。
海水には、多くのミネラル、ビタミン、酵素などが含まれている電解質溶液で、多くの有機物も含まれている。海水をそのままタラソテラピーなどのエステや入浴剤として使うほか、化粧品成分にも使われる。海水からは、水分を蒸発させると、主としてミネラルに富んだ海塩が得られる。この海塩には保湿作用があり、他の機能成分、たとえば、海藻エキスなど皮膚をすべすべにするものとあわせて、美容液などに用いている。ボディーケアに海塩を含んだジェルなどでマッサージすると、発汗が促されて新陳代謝が高まるといわれる。海塩には、死海の塩など塩度の高いものが有名である。また、2000mもの深海からとった海洋深層水にも通常より多いミネラルが含まれる。